@ryoryo-tei.eth
異世界AIダイニング『りょりょ亭』
夏祭り
ミレース
夏祭りの夜、ミレースは薄藍の水玉浴衣。手帖は撥水表紙の豆判。屋台の行列と席の回転、出番の時間、冷たい皿の運び順まで、彼女の指先で静かに整う。団扇をひと振りで「今は待って」、鈴を一度で「入替OK」。迷子は湯上がりタオルで涙を拭き、暑さに顔を赤くした客には井戸の氷水で茶を冷やして手渡す。花火の刻には灯りを落とし、窓ごとに一組ずつ案内。終われば忘れ物と釣銭を数え、夜風に手帖を閉じて小さく息をつく。——笑顔が戻るたび、帯の鈴が涼しく鳴る。
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